法隆寺

日本を代表する建築物であり、現存する世界最古の木造建築物でもある法隆寺。もちろんユネスコの世界文化遺産にも登録されています。奈良県生駒郡斑鳩町にあり、聖徳宗の総本山でもあります。聖徳太子によって建造されたといわれ、同時期に建造が始まった斑鳩宮に隣接して建立されたといわれています。

蘇我入鹿によって斑鳩宮と共に焼き払われ、その後再建されたという説と、法隆寺は焼けずに残ったという説がありますが、いずれにせよ信じられないほど古い建築物であることに変わりありません。

非対称性が意味する日本の風景との調和

中国から伝来した仏教建築ではありますが、中国と日本の建築には特徴的な違いがあります。それは「対称性」です。中国の仏教建築は、対照的に作られていることが多いのですが、日本の仏教建築は逆に左右非対称になっていることが多いのです。

何故このような違いが生じたのでしょうか?それは、日本は平地が少なく、起伏に富んだ景観を持っていることと関係しています。風景との調和を考えたとき、建築物が非対称性のほうがより馴染みやすいということなのです。

日本人は古来より自然との調和、共存ということを考えながら生きてきた民族ですが、建築物にもその思想は繁栄されているということなのです。